どうも、たきじです。
今回は2004年公開のアメリカ映画『スパイダーマン2』の解説&感想です。サム・ライミ監督によるスパイダーマン3部作の第2作です。
↓ 前作の解説&感想はこちら
作品情報
タイトル:スパイダーマン2
原題 :Spider-Man 2
製作年 :2004年
製作国 :アメリカ
監督 :サム・ライミ
出演 :トビー・マグワイア
キルスティン・ダンスト
ジェームズ・フランコ
アルフレッド・モリーナ
ローズマリー・ハリス
J・K・シモンズ
上映時間:127分
解説&感想(ネタバレあり)
最高のスーパーヒーロー映画
本作公開は2004年。翌年の2005年にはクリストファー・ノーラン監督の『バットマン ビギンズ』が公開され、バットマン3部作「ダークナイト・トリロジー」が始まりました。また、2008年には『アイアンマン』が公開され、壮大なMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズが幕を開けました。
このように、それまで低迷していたアメコミ映画が、盛り上がりを見せ始めたのが00年代。映画史に残る大傑作となった「ダークナイト・トリロジー」や、一般層にまでスーパーヒーロー映画の人気の裾野を広げるほどの人気を博したMCUシリーズのインパクトは凄まじく、それらよりも前の作品である本作はいまや古典とも言えそうですね。個人的には、本作公開時点では、本作は史上最高のスーパーヒーロー映画だったと思っています。
ピーターの内面に迫る脚本
ピーター・パーカーの内面に迫る脚本は素晴らしく、前作以上にドラマ性が増しています。
自分の過ちによってベンおじさんが殺されてしまったことに悩むピーター。メイおばさんに対しても後ろめたさを感じています。スパイダーマンが父を殺したと思っている親友のハリーからは恨まれてしまいます。
そして愛するMJ。彼女を危険に晒したくないとの思いから距離を置くピーター。スパイダーマンとしての活動が邪魔をして、友人として彼女の出演する舞台を見にいく約束も守れません。そして、MJには恋人ができています。
ピーターは、精神的な不調からスパイダーマンとしての能力もうまく使えなくなり、やがてスパイダーマンであることをやめてしまいます。
ピーターをとことん追い込んでいくこのあたりの展開、描写は見事。スーパーヒーローのアクション映画というよりも青春映画の体を成していました。まだ未熟な若者が、特別な力を背負う。その苦しみがありありと伝わってきます。MJへの留守電でうまく喋れず、電話が切れてしまってから心情を吐露するシーンでは、すべてを知る我々はぐっと感情移入してしまいますよね。
輝かしいニューヨークのヒーロー
スパイダーマンのヒーローとしての活躍、その爽快感や興奮も前作以上。やはりドラマがしっかり描かれていると、それらが際立ちます。
まず前提として、映画を観る我々は、ピーターがプライベートを犠牲にして人助けをしていることを知っていますから、それだけでもスパイダーマンのヒーローとしての輝きは強くなります。
さらに本作においては、一度はスパイダーマンであることを捨てたピーターが再び復活するという流れが、余計にスパイダーマンの活躍を熱く、爽快なものにしています。
スパイダーマンの能力を失った状態で身を挺して火事から子供を救うシーン、誰もが心の中にヒーローがいるとメイおばさんに励まされるシーンが、復活へのステップとして効いています。そして、目の前でドック・オクにMJをさらわれ、強い決意を抱くことで能力が戻ります。メガネ越しの視界がぼやけることで、能力が戻ったことを示すのもうまいところです。
そして、何より素晴らしいのがスパイダーマン復活のシーン。新聞記事でスパイダーマンを悪者に仕立て上げてきたジェイムソンは、スパイダーマンのコスチュームを見ながら、俺のせいだと責任を感じます。しかし次の瞬間、コスチュームが消え、「親愛なる隣人スパイダーマン」と書かれた置き手紙が。一瞬で掌を返し、「スパイダーマンを捕まえてやる!」と叫ぶジェイムソン。スパイダーマンの復活を伝える新聞記事を突き破って、スパイダーマンが画面に向かってスイングするという華々しい演出。激アツじゃないですか。
そして、列車の上でドック・オクと戦うシーン。素顔を晒して、暴走する列車を必死に止めるスパイダーマン。「誰にも言わないよ」と拾ったスパイダーマンのマスクを返す少年。ドック・オクからスパイダーマンを守ろうとする市民。"親愛なる隣人、スパイダーマン"が凝縮された名シーンですね。
その他あれこれ
- 本作はユーモアも豊富。スパイダーマンのコスチュームをコインランドリーで洗濯しているとか、赤と青が色移りしてしまうとか、最高でした(笑)。能力を失って、エレベーターでビルを降りるシーンも(笑)。
- アームを切断しようとした医師達を、ドック・オクが全滅させるシーンは、鋭いカッティングが決まって、見事な恐怖シーンに仕上がっています。サム・ライミ監督が『死霊のはらわた』の監督であることを思い出させるシーンですね。
- その『死霊のはらわた』で主演を務めたブルース・キャンベルは前作に続いて本作でもカメオ出演。前作ではリングアナを演じていましたが、本作では劇場の案内係を演じています。
- 本作では、コナーズ教授やジョン・ジェイムソンなど、コミックスではヴィランになるキャラクターも登場。公開当時は続編のヴィランの仕込みかとワクワクしたものです(結局、続編に登場したのは別のヴィランでしたが)。
最後に
今回は映画『スパイダーマン2』の解説&感想でした。ピーター・パーカーの内面に迫る脚本が生み出すドラマ性と、それによりさらに際立つアクションシーンの爽快感や興奮が、素晴らしい魅力を放つ作品です。後に素晴らしいスーパーヒーロー映画がたくさん製作されましたが、本作公開時点では、私は本作が史上最高であったと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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