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シソンヌのコント「別れ」解説&感想 シソンヌの真骨頂と言えるコント!

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どうも、たきじです。

 

今回はシソンヌの単独ライブ『deux』より、コント「別れ」の解説&感想です。

 

 

 

説明的な台詞を排除した自然な導入、笑いと悲しみが同居した不思議な空気感、コントの中で漫才が始まるという突飛な展開、演技力無くしては成立しない繊細なプロット、これぞシソンヌの真骨頂と言えるコントです。

 

お笑いのネタにおいて葬式というのは非常にセンシティブな題材です。高校生の頃だったか、ある人気の漫才師が葬式のネタをしていたのを見た時、友人と「葬式ネタなんて不謹慎で笑えないわ」という話をしたのを覚えています。その後、大人になるにつれ、死をそこまで深刻に捉えすぎることはないのかなと思うようになってきて、葬式ネタだからといって必ずしも不謹慎というわけではないと思うようになりました。それでもこの「別れ」のやや重々しい導入には少しドキッとしましたが、見終えてみるときちんと笑えるコントに仕上がっていました。

 

葬式ネタといって思い出す好きなネタに、マツモトクラブの「ちょうじ」というネタがあります。考えてみると、マツモトクラブの「ちょうじ」にしてもシソンヌの「別れ」にしても、"死"の持つ重々しさを上手に消化している、だからこそ素直に笑えるのだということに気付かされます。

 

「ちょうじ」は、マツモトクラブ演じるなべちゃんが、親友のいけちんの葬式で弔辞を読むコントです。このコントでは、死者であるいけちんの声を聞かせて、彼をツッコミ役に据えることで、死の深刻さを消しています。

 

一方、「別れ」は、序盤にいくらかの不謹慎さを感じる観客の気持ちを代弁するようにたっちゃん(長谷川)がツッコミを入れることで、まず観客の迷いを緩和しています。

 

そして中盤、

 

「まともでいられる方がおかしいだろ」

 

サトシ(じろう)のこの台詞の後からは"悲しい死"というものを隠すことなく前面に出し、その上で、悲しみと笑いを織り交ぜて表現しています。たっちゃんの台詞「ふざけているように見えるけど、これはこれでいいかもな」がさらに観客の迷いを消し去り、笑っていいんだ(むしろ笑うべきなんだ)という気持ちにさせます。

 

明るく振る舞いカスミとの思い出を面白おかしく話しながらも、押し殺せない深い悲しみが次第に心の中から膨らんでくるような、そんなじろうの演技は、観客を笑わせつつ、涙をも誘います。そして2人が見せる漫才、それを締めくくる、たっちゃんの上擦ったような「ありがとうございました!」が最後にまた感情を揺さぶり、深い余韻を残します。

 

サトシが悲しみを押し殺すように明るく振る舞っていたことを知った上で最初から改めて見返すと、2回目は序盤から涙が出てしまいました。


わずか9分のネタですが、笑いと涙を誘うこの不思議なコントについて整理したくなって、ここに書かかずにいられませんでした。ほんと、これは素晴らしいネタですよ。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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