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映画『RRR』解説&感想 迷いのない痛快娯楽大作

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どうも、たきじです。

 

今回は2022年公開のインド映画『RRR』の解説&感想です。世界的にヒットしており、日本でもインド映画史上最高の興行収入を記録しています。

 

 

作品情報

タイトル:RRR

原題  :RRR

製作年 :2022年

製作国 :インド

監督  :S・S・ラージャマウリ

出演  :N・T・ラーマ・ラオ・ジュニア
     ラーム・チャラン
     アジャイ・デーヴガン
     アーリヤー・バット
     シュリヤ・サラン
     サムドラカニ
     レイ・スティーヴンソン
     アリソン・ドゥーディ
     オリヴィア・モリス

上映時間:182分

 

解説&感想(ネタバレあり)

エンタメの道をひた走るアクション

私は、インド映画を数えられる程度しか観ていませんし、アクション映画に限れば本作が初めての鑑賞です。そのため、どこまでがインド映画のスタンダードで、どこからがこの作品の独自性なのかはよく分かりません。ただ事実として、過去に鑑賞した作品の9割以上が日米欧の作品である私にとって、本作はこれまでに観たことのない映画でした。

 

何よりの特徴は、エンターテインメントの道をひた走るアクションでしょう。「リアリティがない」なんてマジレスするのが馬鹿馬鹿しくなるほどです。

 

ラーマの登場シーンを見れば分かりますよね。たった1人でデモ隊の群衆の中に飛び込み、殴られ蹴られしながらも、最終的に標的の男を捉えて戻ります。イギリス人の偉い人の「恐ろしいのはあの男だ」という台詞には、観客みんなが頷いたことでしょう(笑)。このシーンで、本作はこういうノリだということが高らかに宣言されています。昇進を果たせず悶々としながらサンドバッグを打つラーマは、パンチでサンドバッグを破壊。いやー、演出が冴えますねー。もうワクワクしましたよ。

 

そしたら、その後のシークエンスではビームが登場です。半裸で水辺に佇んで、頭から血のような液体を垂らすビーム。なんか分かりませんが、もう神のようです(笑)。そして狼や虎を制してしまうのですから。また濃いのが登場したな、とさらにワクワク。

 

そしてこの2人が出会います。橋上での列車事故に巻き込まれて、火の手が迫る水上で孤立した少年を救出しようというところで、2人の意志が合致します。離れたところから身振りだけで意思疎通し、アクロバティックに子供を救出する2人。通常なら失笑してしまいそうな演出の数々ですが、本作はこういうノリであることがあらかじめ宣言されていますから、もうこちらも付き合うしかありません(笑)。

 

そしてこのノリがどんどんクセになっていきます。常人には不可能なレベルの大ジャンプ。銃とか、松明とか、矢とか、空中を飛んでいる物は上手にキャッチ。ラーマが囚われた独房の格子を、ビームが力ずくで破壊するのも何も驚きません。むしろ待ってましたという感じで(笑)。

 

リアリティよりも様式美を重視したようなアクションの数々。スーパーヒーローのような特殊能力を持っているわけではない生身の人間にこれをやらせるのは、ジョン・ウー監督作品のエッセンスを感じさせます。同監督の十八番であるスローモーションや2丁拳銃もありましたしね。

 

ストーリーの骨格も素晴らしい

アクションのみならず、ストーリーもエンターテインメントを極めていますね。敵対する立場にある主人公2人が、互いの素性を知らずに友情を深め、やがて互いの正体を知り葛藤する、このストーリーの骨格がまず面白いです。そして、敵の立場にあるイギリス人をとことん悪いやつに描くというのも迷いがないですね(イギリス人がどう受け止めるのか気になるところではあります)。

 

マッリ救出のために、ビームが総督の屋敷に乗り込むシークエンスは前半のクライマックス。猛獣を引き連れての襲撃、親友2人の対峙と、大盛り上がりですね。炎が引火して四方へ舞うロケット花火をバックに松明を構えるラーマと、破壊されて水を飛散する噴水をバックにホースを手にするビーム。ラーマは火、ビームは水というモチーフが際立つ演出もアガります。

 

短い映画なら、ここで2人が和解、共闘して話をまとめることもできそうなところですが、本作はここでようやくインターミッション。なんという満足度。

 

後半、ラーマの回想も入り話をじわじわと盛り上げ、シータの登場でクライマックスへの流れがお膳立てされるのは見事でした。そしてラーマの救出、森の中での戦い、屋敷の襲撃と、クライマックスを一気に見せてくれます。

 

森の中での戦いは、ここでも火と水のモチーフが効いていますね。ラーマとビームがインドの神々と紐付けられたような演出にも見えましたが、この辺は私の知識ではよく分かりませんでした。

 

最後はラーマとビームそれぞれが因縁を抱えるスコットとの対峙。スコットが度々語っていた銃弾の価値の話を絡めつつ、「装填」、「狙え」、「撃て」の声と共に放たれる銃弾。因縁を絡めてとことん盛り上げられるクライマックスは、セルジオ・レオーネ監督の演出を思い出させました。

 

ダメ押しの"ナートゥ"

ここまで述べてきたように、エンターテインメントを極めたアクションとストーリーだけでも十分なところ、さらにミュージカルシーンまで素晴らしいのだから、もう大満足。日本でも話題となった「ナートゥ・ナートゥ」は、本家のアカデミー賞で歌曲賞を受賞するなど、世界的に評価を集めています。インド映画にはつきもののミュージカルシーンですが、本作ほどそれが注目を集めることは珍しいことです。

 

タンゴに、スイングに、フラメンコ。「君に踊れるかな?」とイギリス人から挑発されるビーム。それに対し、ラーマが「"ナートゥ"をご存知か?」と返し、踊り出す2人。まず、この入り方が最高なんですよ。

 

そして、ウクライナのマリア宮殿(ロシアから侵攻を受ける直前に撮影された)の美しいロケーション。陽気な歌とダンス。これはいいですわ。高難易度のダンスを笑顔でひたすら激しく踊る感じは、フレッド・アステアやジーン・ケリーの頃のハリウッドのミュージカルを彷彿とさせます(このダンスはどちらかと言えばケリー風)。これはクセになりますね。

 

その他あれこれ
  • インド映画に詳しくない私としては、本作のキャストで唯一知っていたのはアリソン・ドゥーディ。『007/美しき獲物たち』や『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』でその美貌を披露していました。本作同様、主人公の敵の立場のキャラクターでした。本作で久々に目にしましたが、随分とお顔の雰囲気が変わっていて全く気づきませんでした。
  • ビームとラーマが友情を育むくだりで、バイクに二人乗りして楽しそうにしている様子は『ローマの休日』でしたね。
  • リアリティにはこだわらずエンタメをひた走る本作。蛇の猛毒にも、怪我の治療にもよく効く薬草の万能感は結構ツボでした(笑)。
  • 森での戦い以降、ラーマは上半身裸で神のような格好になっていました。とんでもない格好のままエピローグで普通にみんなの輪に入っているのが可笑しくて、終始ニヤニヤしてしまいました(笑)。

 

最後に

今回は映画『RRR』の解説&感想でした。ジョン・ウー、セルジオ・レオーネ、ジーン・ケリーなど、世界各国の先人のエッセンスが垣間見えつつも、全く新しい素晴らしい作品になっていました。インド映画の魅力を見せつけられる、痛快な娯楽大作でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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