どうも、たきじです。
今回は2016年公開の映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の解説&感想です。
作品情報
タイトル:ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
原題 :Rogue One: A Star Wars Story
製作年 :2016年
製作国 :アメリカ
監督 :ギャレス・エドワーズ
出演 :フェリシティ・ジョーンズ
ディエゴ・ルナ
リズ・アーメッド
ベン・メンデルソーン
ドニー・イェン
チアン・ウェン
フォレスト・ウィテカー
マッツ・ミケルセン
アラン・テュディック
上映時間:133分
解説&感想(ネタバレあり)
神話の裏側にある名もなき者たちの物語
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は、スター・ウォーズの外伝とも言える作品です。物語としてはスター・ウォーズの第1作であるエピソード4の前日譚であり、デス・スターの設計図を巡る攻防を描いています。
ただし、本作にはフォースを操るジェダイのような"スーパーヒーロー"は登場しません。描かれるのは、特別な能力など持たない者たちが奮闘する姿です。だからこそ、本作はスター・ウォーズの世界観を借りながらも、独自のサスペンス映画、あるいは戦争映画としての新鮮さがあります。
全体的にスター・ウォーズ・シリーズとは演出が異なり、悲壮感とシリアスな空気に包まれています。それはまさに、戦時下のレジスタンスの人々を描いた記録映画のようであり、本作が伝説の裏側にある名もなき人々の物語であることを象徴しています。
音楽が示す物語の方向性
音楽もそれを象徴するかのようです。タイトルバックで流れ出すメロディーの冒頭の2音は、まるでスター・ウォーズのいつものメインテーマ。しかしそれはすぐに別の旋律に逸れていきます。スター・ウォーズの世界にあって、これは別の物語であることを宣言するかのように感じられました。
「フォースのテーマ」のモチーフも断片的に使われていますが、前面には出てきません。ジェダイが滅びた時代、フォースは力ではなく「信じるもの」としてぼんやりとして存在している。音楽がそれを語るようで印象的でした。
帝国の圧倒的な恐怖
本作における帝国の描写は鮮烈です。まずは帝国の戦艦やデス・スターの登場シーン。宇宙の闇に覆われた姿に徐々に光が差し、やがて全貌が見えてくる演出は印象的でした。
そして後半、満を持して登場するダース・ベイダー。大きく伸びる影、逆光の中に浮かぶシルエット。そして響き渡る「インペリアル・マーチ」。名もなき者たちが主役の物語にあって、敵はお馴染みの圧倒的な悪役。この構図が恐怖をさらに引き立てます。
特にラストのベイダーの無双シーンは圧巻です。暗闇に響く呼吸音。ライトセイバーの赤い光が闇を切り裂きその姿が浮かび上がります。そしてフォース全開で繰り広げられる殺戮。凄まじい絶望感が駆け巡るシーンでした。
キャラクター描写の弱さ
正直に言えば、本作はキャラクター一人ひとりの掘り下げは浅いです。主要キャラクターであっても、内面が十分に語られないまま物語が進んでいきます。
主人公ジン・アーソも例外ではありません。序盤などは特に、彼女が何を考えているのか分かりづらく、感情移入しにくく感じました。父親のホログラムを見つめる表情も、「これは感動していると受け取っていいのか?」と戸惑ってしまいました(笑)。
ドニー・イェン演じるチアルートなんかは、座頭市みたいに盲目で戦う設定やフォースへの信心深さなど、ユニークなキャラクターですが、やはり深掘りされないので記号的なキャラクターで終わっている印象です。
緊張感に満ちたクライマックス
デス・スター設計図を巡る終盤の展開は、緊張感に満ちています。地上、宇宙、基地内部と、複数の場所での戦闘をクロスカッティングで描くクライマックスは、スター・ウォーズ・シリーズの定番の見せ場です。ただ、宇宙での戦闘には本作の主要キャラクターがいないので、感情的に乗り切れないのは惜しいところです。
そして観ているうちに、多くの観客が気づくでしょう。本作の主要キャラクターたちは、誰一人としてエピソード4に登場しない。つまり――そういうことなのだ、と。
そしてその予感は裏切られません。しかし、彼らの犠牲が希望を繋ぐ、その悲壮感こそが本作の色とも言えるでしょう。
すべてが繋がる心地よさ
設計図のデータが受信され、ベイダーが迫る中でデータがリレーのように手渡されていくラスト。名もなき者たちが繋いだ希望が、ついにレイアの手に渡ります。
――中身は?
――希望です
この一言が、胸に深く突き刺さります。私たちは、この"希望"がどこへ向かうのかを知っています。そして、もう一つ、"新たなる希望"の存在も。エピソード3と同様、本作もスター・ウォーズ第1作であるエピソード4に繋がる心地よさはひとしおでした。
最後に
今回は映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の解説&感想でした。本作は、派手な英雄譚を期待すると戸惑うかもしれません。しかし、伝説の裏側で、誰にも知られずに希望を繋いだ人々の物語として、見応えのある作品に仕上がっています。
個人的な満足度:8/10
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