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映画『ミザリー』解説&感想 スティーヴン・キング原作の名作ホラー

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どうも、たきじです。

 

今回は1990年公開のアメリカ映画『ミザリー』の解説&感想です。原作スティーヴン・キング×監督ロブ・ライナーという組み合わせは『スタンド・バイ・ミー』に次いで二度目ということになります。

 

作品情報

タイトル:ミザリー

原題  :Misery

製作年 :1990年

製作国 :アメリカ

監督  :ロブ・ライナー

出演  :ジェームズ・カーン

     キャシー・ベイツ

     リチャード・ファーンズワース

     ローレン・バコール

 上映時間:108分

 

あらすじ

「ミザリー」シリーズで人気の小説家のポール・シェルダン(ジェームズ・カーン)は雪深いロッジにこもって「ミザリー」シリーズに次ぐ新作を書き上げ、街に戻ろうとしますが、吹雪の中で車を横転させ、重傷を負います。


意識を失ったポールでしたが、近くの家に一人で住んでいるアニー(キャシー・ベイツ)に助けられ、元看護師であるアニーの処置により、ポールは一命を取り留めます。


ポールの1番のファンを自称するアニーは、ポールを献身的に看護します。しかし、アニーはポールのことを、病院にも、ポールの家族にも連絡しようとしません。やがてアニーは、恐ろしい一面を見せるようになり…。

 

解説&感想(ネタバレあり)

スティーヴン・キング原作の名作ホラー

スティーヴン・キングの小説は多数映画化されています。映画として評価の高い作品は、『スタンド・バイ・ミー』、『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』など、感動系の作品も少なくないですが、本来はホラー小説家。本作は『キャリー』や『シャイニング』などと同様、彼のホラー小説の映画化作品を代表する作品です。


同じホラー映画でも、本作が『キャリー』や『シャイニング』と異なるのは、オカルトを扱った作品ではないということでしょう。本作で"恐怖"の役割を担うのはキャシー・ベイツ演じるアニーその人。オタクでヒステリックでサイコパスな彼女の、常軌を逸した行動こそが、本作の恐怖を生み出しています。


常軌を逸したアニーの行動

本作はシチュエーションが絶妙です。両足を怪我して自由に動けないポール。近隣に他の家はなく、客人もなく、助けを求められず、彼女の看護なしでは、ポールは生きていけない状況にあります。


最初こそ、アニーのオタク的な熱量にちょっと引くくらいのものですが、徐々にアニーの狂気が現れてきてからは、映画を見る我々も、ポールとともに恐怖を体験することになります。


彼女は、ポールが書き上げたばかりの新作を読んで、その内容に苛立ち癇癪を起こし、狂気の片鱗を見せます。かと思えば、発売された「ミザリー」シリーズの最新刊を読んで、作中でミザリーが死ぬことに激怒します。そして、「あなたがここにいることは誰も知らない」と、冷たい表情でポールに告げるのです。さらに、アニーはポールに新作の原稿を燃やすことを強要し、「ミザリー」の最新作として、ミザリーが生き返るストーリーを書かせます。


この常軌を逸した行動!常に何をしでかすか分からないアニーの危なっかしさが、映画全体の緊張感を高めています。アニーの外出中に、ポールが部屋を抜け出して家の中を探索するシーンなんて、終始ハラハラしてしまいます。


ポールが覗き見たアルバムから、アニーが過去に多数を殺めてきたことが明らかになるシーンなんかはかなりゾッとしますが、極め付きは、やはりポールの足がハンマーで折られるシーンでしょう。今回、私は本作を20年ぶりくらいに鑑賞したので、細かいところは忘れていたのですが、このシーンだけは鮮明に覚えていました。でも原作は斧で切り落とすんですって…。

 


役者達の好演

それにしても、アニーを演じたキャシー・ベイツは素晴らしいです。ホラー演技でアカデミー主演女優賞ですからね。容姿から演技まで完璧で、彼女以外のアニーは考えられません。


一方、それを受けるポール役のジェームズ・カーンも素晴らしいです。ジェームズ・カーンと言えば『ゴッドファーザー』のソニー役。ソニーはいつキレるか分からない危なっかしい男でしたが、対照的に本作のポールは常にアニーに苦しめられる役どころ。アニーにドン引きする表情や戸惑う表情が意外なほどハマっています。


アニーに薬を盛ろうとするシーンは最高でした。アニーをディナーに誘い、コツコツ溜めた薬をアニーのワイングラスに入れて、いざ乾杯というところでアニーがうっかりグラスを倒してしまい、計画失敗。その時のポールの唖然とした表情。この後ポールはアニーと無駄にディナーしたと思うと、笑ってしまいました。


あとは保安官を演じたリチャード・ファーンズワースもいい味出していました。無能な警察に代わってマイペースで捜査する役柄です。最後には彼がポールを助けるキーマンになりそうな流れで物語が進むので、アニーにあっさり殺されてしまったときの絶望感は半端じゃないです。


ラストにかけての伏線回収

そしてクライマックス。ポールが作品を書き上げたお祝いのためのアイテム(タバコ、マッチ棒、ドン・ペリニヨン)が再登場します。オープニングで印象的に描かれたアイテムだっただけに、ここでの伏線回収が心地よいです。


そして最後はポールとアニーの取っ組み合い。やったか?と思ったらまだ襲い掛かってくるアニー。このしぶとさに既視感があると思ったら、ターミネーターですね(笑)。どうせなら、ポールには、"You’re terminated, f**ker."とでも決めて欲しかったです(笑)


ラストシーン。アニーの幻影に悩まされるポール。ウェイトレスが放つ「私はあなたの1番のファンよ(I’m your number one fan.)」はアニーがポールに言った台詞です。"number one fan"という印象的なフレーズが、ここで伏線回収。ゾッとしつつ、どこかカタルシスを感じてしまうようなラストシーンでした。

 

 

最後に

今回は映画『ミザリー』の解説&感想でした。少し地味なキャストではありますが、確かな演技と演出、そして何よりスティーヴン・キングの原作の素晴らしさで、名作ホラーに仕上がっています。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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