人生をもっと楽しく

人生を楽しむ多趣味サラリーマンが楽しいことを発信するブログ

映画『隠し砦の三悪人』解説&感想 スター・ウォーズの元ネタだからすごいわけじゃない

【スポンサーリンク】

どうも、たきじです。

 

今回は1958年公開の日本映画『隠し砦の三悪人』の解説&感想です。

 

 

作品情報

タイトル:隠し砦の三悪人

製作年 :1958年

製作国 :日本

監督  :黒澤明

出演  :三船敏郎
     千秋実
     藤原釜足
     上原美佐
     藤田進
     志村喬

 上映時間:110分

 

解説&感想(ネタバレあり)

本作の舞台は戦国時代。秋月家と山名家の戦は山名家の勝利に終わります。戦に参加した百姓の太平又七は刀や具足も剥ぎ取られ、命からがら故郷を目指します。道中、薪の中に隠された黄金を発見した2人は歓喜しますが、そこに屈強な男が現れます。


その男は秋月家の侍大将・真壁六郎太で、秋月家の世継ぎである雪姫と隠し砦に身を隠しており、その黄金は秋月家再興のための軍用金。六郎太は太平と又七をうまく利用して、敵地を突破して同盟国の早川家の領地に入ろうと考えます。かくして、3人の男と1人の姫の危険な旅が始まります。

 

というのが本作のざっとしたあらすじ。本作は、戦国時代を舞台にしたアドベンチャー映画です。薪の中から黄金が出てくるというキャッチーな展開から、黄金と姫をカムフラージュして敵中突破するという展開には胸が躍ります。


そして次から次に訪れるピンチ。それを毎度六郎太が機転を効かせて切り抜ける様子に見入ってしまいます。関所であえて黄金を見せ、褒美をくれと喚き散らすことで切り抜けるという頭脳プレーがある一方で、いよいよ追い込まれた時には力技で押さえ込むのもまた面白いですね。


六郎太が2人の武者を即座に斬り捨て、馬で陣に戻ろうとした残りの2人を馬で追いかけて仕留めるシーンは大きな見せ場。手綱を持たずに両手で刀を握ったまま馬で駆ける姿は伝説的にかっこいいですね。

 


また、本作で忘れてはならないのが、太平・又七コンビによるコメディリリーフの面白さ。2人の焚き火にずけずけと入ってくる六郎太に一言言ってやろうとしてそれぞれ失敗するくだりとか、雪姫(口が聞けない者を指す「唖(おし)」を演じている)にジェスチャーで馬に水を飲ませると伝えようとするくだりとか、めちゃめちゃ面白いです。


2人は映画の最後で六郎太と雪姫の正体を知り、褒美に大判を授かります。これまで喧嘩ばかりだった2人でしたが、帰路につきながら、とろけた表情で大判を譲り合うのがまた微笑ましく、素晴らしいラストシーンでした。


本作で雪姫を演じたのは、上原美佐さん。スカウトされて本作でデビューした女優さんです。演技未経験なので仕方ないとは言え、発声ができていないので台詞が聞きづらい(聞き取りにくいという意味ではなく)のが難点。


ただ面構えは素晴らしいですね。スカウトされたのは良く分かります。眉を立たせすぎなメイクが気になりますけど。あと、六郎太もそうなんですが、短パンみたいな衣装もあまり好きではないです(笑)。

 

さて、本作を語る時、必ずと言っていいほど言及されるのは、本作は映画『スター・ウォーズ』の元ネタであるということ。敵から逃れた姫(雪姫/レイア姫)、姫に与する達人(六郎太/オビ=ワン)、敵が狙うキーアイテム(黄金/デス・スターの設計図)、ユーモラスな2人組(太平と又七/C-3POとR2-D2)といった物語のファクターが類似していますし、個々のシーンや演出にも類似性が見られます。また、本作に限らず、いくつかの黒澤映画で用いられている場面転換時のワイプは『スター・ウォーズ』シリーズでもお馴染みです。

 

※参考(『スター・ウォーズ』と『隠し砦の三悪人』の比較)


『スター・ウォーズ』の中心人物であるルークやハン・ソロにあたるキャラクターは本作には登場しませんし、そもそも物語の筋も異なるのですが、『スター・ウォーズ』が本作のインスピレーションを受けていることは、ジョージ・ルーカスも認めています。


『スター・ウォーズ』という誰もが知るアドベンチャー映画を引き合いに出すことで、本作の内容を語ること自体には異論ありません。ただ一つ言っておきたいのは、本作は『スター・ウォーズ』の元ネタだからすごいわけじゃないということ。ジョージ・ルーカスよりも黒澤明の方が圧倒的に格上なので、「あのルーカス様に影響を与えた映画」として嬉々として語ることには違和感を覚えます(笑)。

 

最後に

今回は映画『隠し砦の三悪人』の解説&感想でした。戦国時代を舞台に、華麗なアクションとユーモアで綴られたアドベンチャー映画。『スターウォーズ』の元ネタとなった作品ですが、同作を引き合いに出すまでもなく、本作は素晴らしいということは改めて主張しておきたいところです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

多趣味を活かしていろいろ発信しておりますので、興味のあるカテゴリーがございましたら他の記事ものぞいていただけると嬉しいです!

はてなブログの方は、読者登録もお願いします!

 

↓ 他の映画の解説&感想もぜひご覧ください!

 

----この映画が好きな人におすすめ----

↓ 黒澤明監督の時代劇の代表作

★黒澤明監督作品の解説&感想