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映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』解説&感想 奇抜で革新的なSFアクションコメディ

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どうも、たきじです。

 

今回は2022年公開のアメリカ映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の解説&感想です。アカデミー賞では、作品賞を含む7部門で受賞し、主要部門をほぼ独占しています。

 

 

作品情報

タイトル:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

原題  :Everything Everywhere All at Once

製作年 :2022年

製作国 :アメリカ

監督  :ダニエル・クワン
     ダニエル・シャイナート

出演  :ミシェル・ヨー
     キー・ホイ・クァン
     ステファニー・スー
     ジェニー・スレイト
     ハリー・シャム・ジュニア
     ジェームズ・ホン
     ジェイミー・リー・カーティス

上映時間:140分

 

解説&感想(ネタバレあり)

正直に言えば、本作について、めちゃくちゃ面白かったとも、めちゃくちゃ完成度が高いとも思わないのですが、スタッフとキャストのクリエイティビティやチャレンジ精神に拍手を送りたくなるというか、なんか感動しました。


極めて革新的で奇抜な作品ですよね。多様性とニヒリズム、そしてマルチバースといった現代的なテーマを取り扱いながら、観たこともない映画に仕上がっていて、観客に強烈なインパクトを与えています。


映画は序盤からすごいテンポで進行していきます。情報量の多さに、私なんかはついていくのに必死です。最初の転機はウェイモンドが警備員と戦うシーンでした。ウェストポーチを使ったアクション(笑)。ジャッキー・チェンを彷彿とさせる、笑いと興奮が交錯するアクションに引き込まれてしまいました。

 


物語が進み、ルールが分かってくると俄然面白くなります。奇抜な行動を取ることで違うバースの自分にジャンプし、能力をゲットできる、みたいな設定がもう最高で、何度も何度も笑わされました。奇抜さを競うかような彼らの行動にワクワクしっぱなしです。お尻にトロフィーを刺すくだりは爆笑してしまいました。


各バースの多様な表現も面白いですよね。『レミーのおいしいレストラン』のパロディのようなバースだったり、みんな石のバースだったり。極め付けは指がソーセージというバース(笑)。どこからそんな発想が出るのか。太古の時代の類人猿同士の争いで、指がソーセージのグループが勝ったという設定がまた最高です(『2001年宇宙の旅』のパロディ含め)。手の指があれだからピアノは足で弾くってのも。素晴らしいイマジネーションです。


また、本作の特筆すべき点は、映画終盤で、複数のバースの出来事が並行して描かれ、それぞれのバースのエヴリンの感情がリンクしていくという表現。並行して描かれる現実と空想のキャラクターの感情がリンクしていく、みたいな作品は、『ネバーエンディング・ストーリー』なんかで見られるように珍しくありません。しかし、本作の場合は、いくつものバースを素早いカッティングでテンポ良く交錯させながらエヴリンの感情をリンクさせます。これがドラマに大きなうねりを生み出し、観るものの感情を揺さぶります。うまくまとめるな、とすっかり感心してしまいましたね。

 


さて、本作はキャスト陣のパフォーマンスも素晴らしいですね。アカデミー賞でも、エヴリンを演じたミシェル・ヨーが主演女優賞受賞、ウェイモンドを演じたキー・ホイ・クァンが助演男優賞受賞、ジョイ/ジョブ・トゥパキを演じたステファニー・スーが助演女優賞ノミネート、ディアドラを演じたジェイミー・リー・カーティスが助演女優賞を受賞と、大変評価されています。みんな本当にうまいです。


ミシェル・ヨーは、アクション女優のパイオニアですから、カンフーアクションはお手のもの。本作ではコメディ演技も最高です。奇抜な行動→装置のスイッチ押す→能力ゲット、の一連の演技が毎度毎度面白くてクセになります(笑)。


キー・ホイ・クァンは、2つのバースのウェイモンドの演じ分けもいいですが、何よりメインのバースのウェイモンドの、頼りなくも優しさに溢れたキャラクター表現が素晴らしいです。


個人的には、ステファニー・スーにすっかり魅せられましたね。ジョイとして登場時点では特に何も感じないのですが、ジョブ・トゥパキとして現れて以降はその存在感にワクワクしっぱなしでした。奇抜な格好で豚を連れて現れて警備員を倒すシーンは圧倒的でした。コメディ畑の女優とあって、やけに板についたコミカルな演技と、感情が心の奥底から滲み出るようなシリアスな演技は見事なもの。才能あふれる女優さんですね。


ジェイミー・リー・カーティスはコメディ演技はお手のもの。ベテランの安定した演技でオスカー受賞です。個人的には、助演女優賞にはステファニー・スーの方を推しますけどね。

 

最後に

今回は映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の解説&感想でした。一見すると奇抜な世界観の中に、多様性とニヒリズム、そしてマルチバースといった現代的なテーマを織り交ぜ、多層的な魅力を持った革新的作品でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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