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映画『新・猿の惑星』解説&感想 壊れたシリーズを立て直した第3作

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どうも、たきじです。

 

今回は1971年公開のアメリカ映画『新・猿の惑星』の解説&感想です。『続・猿の惑星』に続く、猿の惑星シリーズの第3作です。

 

↓ 前作の解説&感想はこちら

作品情報

タイトル:新・猿の惑星

原題  :Escape from the Planet of the Apes

製作年 :1971年

製作国 :アメリカ

監督  :ドン・テイラー

出演  :ロディ・マクドウォール
     キム・ハンター
     ブラッドフォード・ディルマン
     ナタリー・トランディ
     エリック・ブリーデン
     リカルド・モンタルバン

上映時間:98分

 

解説&感想(ネタバレあり)

無理やり作られた続編ではあるが

シリーズ第2作『続・猿の惑星』は、第1作の設定、世界観、テーマを破壊し尽くした最低の続編であったことは前回書いた通りです。唯一の救いは、登場人物も地球も全てを消滅させて終わったこと。…でしたが、結局、作られてしまった続編が『新・猿の惑星』です。

 

物語の導入を見ても、やはり無理やり作られた続編という印象は強いです。マイロがテイラーの宇宙船の仕組みを解明して操縦し、戦争前にジーラ、コーネリアスと共に地球を脱出した結果、核爆弾の衝撃で過去に飛ばされた。という設定は、かなり強引です。

 

ただし、この荒唐無稽な設定をさえ受け入れてしまえば、そこそこ楽しい作品ではあります。

 

軽やかなトーンで描かれる前半

本作でまず目を引くのは、知能を持った猿が現代(1970年代)の人間社会に現れるという特異なシチュエーションです。ジーラとコーネリアスは、人間社会の中で珍しがられ、やがてチャーミングな存在としてメディアや大衆の人気者になっていきます。過去二作とは趣きががらりと変わり、軽やかでユーモラスなトーンで描かれる前半パートは素直に楽しめました。

 

同時に、これは単なるコメディではありません。  「異質な存在が、最初は好奇の目で受け入れられるが、やがて恐怖の対象へと変わっていく」  という構図が、静かに仕込まれています。

 

立場の再逆転による新しい『猿の惑星』

前作第1作を破壊するような作品でしたが、本作は過去作とは明確に差別化しつつも、しっかりと『猿の惑星』ならではの物語を紡いでいる点は評価できます。

 

過去作では、人間と猿の立場が逆転した社会に放り込まれた人間が、猿に裁かれる立場に置かれる構図でした。本作ではそれが再逆転し、猿が人間社会で裁かれる側に立ちます。

 

人間側の、政治家、科学者、軍人・警察というキャラクター配置は、過去作の猿のキャラクター配置と同様。異質な存在に驚き、恐れ、排除しようとする構図も過去作と対になります。これは単なる焼き直しではなく、シリーズの主題を別の角度から掘り下げるものであり、前作と違って続編として正当に過去作と向き合っていると言えます。

 

猿が支配する"過程"に移された視点

やがて物語は、地球が猿に支配される"過程"に視点を移します。

 

物語が進むにつれ、ジーラとコーネリアスの存在そのものが問題視されていきます。  彼らが未来で見た「猿が人間に取って代わる歴史」が、人間側にとっては脅威として浮かび上がるからです。

 

「危険になるかもしれないから排除する」という論理は、人間が繰り返してきた歴史そのもの。本作はそれを物語構造によって風刺しているとも言えます。

 

「未来から過去に戻ったジーラとコーネリアスがきっかけとなって知恵を持った猿が台頭し、やがて地球を支配する」となると、猿が知識を持つことになった起源がどこにも存在しない、いわゆる「因果のループ」。この方向に物語を展開させたのはなかなか面白いところでした。

 

もっとも、「なぜコーネリアスが猿が地球を支配するまでの歴史をそこまで詳しく知っているのか」という疑問は残ります。第1作では、人間がかつて文明を持っていたことすら、彼は知らなかったはずです。このあたりは前作同様、脚本都合で過去作の設定を無視していると言わざるを得ません。

 

ある意味で収まりのいい結末

終盤は、追われる存在となったジーラとコーネリアスの逃避行の物語へと移行します。  この展開もなかなか飽きさせない展開でした。

 

最後に2人と赤ん坊は殺されてしまいますが、赤ん坊は実はサーカスの猿とすり替えられており、彼らの子供は無事にサーカスに託されていました。人間と猿、どちらの立場で映画を見るかによって受け止め方の異なる結末ですが、いずれにせよ、コーネリアスが語った未来へと歴史が収束していく、ある意味で収まりのいい結末と言えます。

 

最後に

今回は映画『新・猿の惑星』の解説&感想でした。本作は、ひどい前作の後に無理やり作られた続編であることは否定できません。しかし、新たな切り口で過去作とは差別化しつつ、『猿の惑星』ならではの物語になっているのは好印象でした。プロット以外は平凡で、全体として特別に出来が良いわけではありませんが、シリーズを立て直した作品であることは間違いないでしょう。

 

個人的な満足度:6/10

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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