どうも、たきじです。
今回は2024年公開のアメリカ映画『デューン 砂の惑星 PART2』の感想です。
↓ 前作の感想はこちら
作品情報
タイトル:デューン 砂の惑星 PART2
原題 :Dune: Part Two
製作年 :2024年
製作国 :アメリカ
監督 :ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演 :ティモシー・シャラメ
ゼンデイヤ
レベッカ・ファーガソン
ジョシュ・ブローリン
オースティン・バトラー
フローレンス・ピュー
デイヴ・バウティスタ
クリストファー・ウォーケン
レア・セドゥ
スエイラ・ヤクーブ
アニャ・テイラー=ジョイ
ステラン・スカルスガルド
シャーロット・ランプリング
ハビエル・バルデム
上映時間:166分
感想(ネタバレあり)
『デューン 砂の惑星 PART2』は、前作同様、壮大なスケールの物語を見事に表現した映像や音楽が凄まじい魅力を放つ作品です。
撮影、編集、視覚効果がもたらす脅威の映像は、前作をさらに上回る出来栄えです。スパイスの採取に訪れたハルコンネンを撃退する序盤の戦闘シーンや、ポールがサンドワームに乗る試練に挑むシーンなど、前作に比べて、序盤からアクションシーンが多いので、全編通して迫力ある映像を堪能できます。
また、ハンス・ジマーによる音楽も圧巻です。伝統的な映画音楽というものは、オーケストラによるメロディアスなスコアによって、音楽を前面に出して映画を盛り上げるもの。一方、近年のジマーは、ここから脱却するような実験的なサウンドが多い印象です。本作でも、シンセサイザーや民族楽器を使いながら、重低音や不安定なリズムによって、観客にこれまでにない音響体験を提供し、映画を裏から支えています。また、女性コーラスを効果的に用いて、宗教的・神秘的な雰囲気を際立たせているのも見事です。
こうした視覚的、聴覚的魅力は当然として、脚本も含めて世界中で絶賛されている本作ですが、個人的には脚本に関しては衝撃を受けるほどではなかったのが正直なところです。確かに、物語の背景や設定の描写に時間を割いた前作に比べると、本作は物語の方向性が明確になりました。それでも、物語としての盛り上がりには物足りなさを感じてしまいました。
全体としてキャラクターの感情表現が抑制的で、ドラマとしての熱量が控えめであることが、その理由の一つかもしれません。内面描写は全体的に淡泊で、感情移入しづらい部分があります。覚醒後のポールに至っては、ほぼ内面描写がありません。
とはいえ、それは当然と言えば当然かもしれません。自らの決断によって多くの命が失われる未来を垣間見て葛藤したポールでしたが、最終的には前に進むことを決断し、「命の水」を飲んで覚醒します。そしてその後は、その道を迷いなく突き進んでいきます。本作は、「行くも地獄、留まるも地獄」という状況の中で、過酷な運命を受け入れるしかなかったポールの悲劇を描いているものであって、そもそもポールに感情移入して観るものではなかったのでしょう。
もう一つ、物足りなさを感じてしまった理由は、クライマックスの戦いが意外なほどあっさりと終わってしまうことです。ミサイル攻撃の大爆発による戦いの幕開けや、サンドワームを引き連れての襲撃、砂の中から登場するフレメンの戦士たちによる白兵戦など、それぞれの映像表現はやはり圧巻です。しかし、いずれも1シーンでさらっと描写して終わってしまいます。「手に汗握る戦い」は描かれないのです。
本作はやはり映像表現の映画。緊張感のあるアクションシーンを描く気はさらさら無かったのでしょう。それは理解しつつも、クライマックスで感情を解放できないもどかしさが残るのも事実。まあ、この辺は好みの問題でしょうね。
最後に
今回は映画『デューン 砂の惑星 PART2』の感想でした。物語の盛り上がりやキャラクターの感情表現に物足りなさを感じる部分もあるものの、前作以上に、映像と音楽が織りなす壮大な世界観を堪能できる作品です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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