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映画『大統領の陰謀』感想 ウォーターゲート事件を追う記者の奮闘

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どうも、たきじです。

 

今回は1976年のアメリカ映画『大統領の陰謀』の感想です。アカデミー賞では、作品賞を含む8部門でノミネートされ、助演男優賞(ジェイソン・ロバーズ)、脚色賞、録音賞、美術賞の4部門を受賞しています。

 

 

作品情報

タイトル:大統領の陰謀

原題  :All the President's Men

製作年 :1976年

製作国 :アメリカ

監督  :アラン・J・パクラ

出演  :ダスティン・ホフマン
     ロバート・レッドフォード
     ジャック・ウォーデン
     マーティン・バルサ
     ハル・ホルブルック
     ジェイソン・ロバーズ
     ジェーン・アレクサンダー
     メレディス・バクスター

上映時間:138分

 

感想(ネタバレあり)

1972年に全米を揺るがした政治スキャンダル、ウォーターゲート事件。CIAの工作員が民主党本部に盗聴器を仕掛けようとして逮捕され、やがて政権の関与が明るみに。さらには政権によるもみ消しや司法妨害なども明らかになり、最終的にはリチャード・ニクソンが大統領を辞任するに至った大事件です(任期中に辞任した大統領は米歴史上ニクソンただ一人)。


本作は、事件を追ったワシントン・ポストの2人の記者(ピューリッツァー賞受賞)を主人公として映画化した作品で、2人の手記を原作としています。


私が初めて本作を観たのは、まだ10代だった20年ほど前。当時はあまり話についていけず、ほとんど楽しめませんでした。最近『スポットライト 世紀のスクープ』(2015年/アカデミー作品賞受賞作)を観てとても面白かったので、同作と共通する点も多い本作を再鑑賞した次第です(以下、『スポットライト』のネタバレを含みます)。

 


結論から言えば、初見時と印象はあまり変わりませんでした(笑)。いや、話にはついていけましたよ。当時よりも背景知識は増えましたし、情報処理能力も上がったので。ただ、それでもあまり楽しめませんでした。

 

ウォーターゲート事件への興味関心が薄いというのは理由の一つでしょうね。『スポットライト』の場合は、聖職者による児童への性的虐待という、衝撃的な事件が題材であり、明確な善と悪がありました。もちろん、ウォーターゲート事件にも善と悪はあるのですが、俯瞰して見れば共和党と民主党の政争。私にとっては、結局のところ外国の内政のゴタゴタに過ぎないですから。


また、『スポットライト』は、取材を重ねるうちに、被害者たちの心の傷みが炙り出され、また、同様の事件が各地で何百と起こっていたことが明らかになっていくなど、真相が明らかになっていくゾクゾクする面白さがありました。本作にも真実に迫っていく部分はあるものの、どちらかと言えば真相を暴く様子よりも関係者の証言を取って裏どりを重ねる様子に重点が置かれている印象です。どうしても物語として地味になりますし、娯楽性は低くなります。


終盤で、記事をホワイトハウスに全面否定されるという転機があり、そこからの巻き返しにカタルシスを求めてしまいますが、それもなく。一応、ディープスロートからの証言を得られたことや、厳しい言葉の中に2人への激励が感じられるブラッドリー(ジェイソン・ロバーズ)の台詞がちょっとしたクライマックスにはなっていますけどね。


でも映画はニクソンがノーダメージで再戦を果たすところで終わってしまいます。就任式の映像に目もくれずタイプを打つ2人の姿はいいのですが、大きな盛り上がりがないままでの「俺たちの戦いはこれからだ」的な終わり方には、物足りなさを感じずにはいられませんでした。

 

最後に

今回は映画『大統領の陰謀』の感想でした。同種の作品のである『スポットライト 世紀のスクープ』と比較しても娯楽性は低く、あまり入り込めない作品でした

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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