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映画『続・猿の惑星』辛口レビュー すべてを破壊した最低の第2作

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どうも、たきじです。

 

今回は1970年公開のアメリカ映画『続・猿の惑星』の解説&感想です。『猿の惑星』に続く、猿の惑星シリーズの第2作です。

 

 

↓ 前作の解説&感想はこちら

作品情報

タイトル:続・猿の惑星

原題  :Beneath the Planet of the Apes

製作年 :1970年

製作国 :アメリカ

監督  :テッド・ポスト

出演  :チャールトン・ヘストン
     ジェームズ・フランシスカス
     キム・ハンター
     モーリス・エヴァンス
     リンダ・ハリソン

上映時間:95分

 

解説&感想(ネタバレあり)

前作『猿の惑星』は、「人間と猿の立場が逆転した世界」というユニークな設定と、風刺に満ちた寓話的ストーリー、そして映画史に残る衝撃のラストによって、SF映画の金字塔と呼ばれる作品でした。時代の流れによって古さを感じる部分はあるにせよ、SFの古典として語り継がれるべき一本であることは間違いありません。

 

しかし、2年後に公開された本作『続・猿の惑星』は、その遺産を引き継ぐどころか、前作を無視するかの如く、世界観とテーマを根本から破壊した続編でした。

 

前作の設定を軽視した脚本

まず強い違和感を覚えるのが、前作の設定を忘れてしまったかのような脚本です。

 

前作の終盤で、ジーラとコーネリアスはゼイウスによって裁判にかけられるような流れだったのに、彼らは何事もなかったかのように平穏に暮らしています。それどころか、ゼイウスともそこそこ良好な関係を築いているようにすら見えます。ゼイウスは教義を守るためなら真実を隠蔽する冷酷な体制側の象徴のような悪役でしたが、なんとなく丸くなったような印象です。もちろんそれは成長や変化の結果というよりは、単なる脚本上の都合にしか見えません。

 

また、猿社会の権力構造も曖昧に改変されています。前作ではオランウータンが政治、司法、宗教を担う支配層であり、ゴリラは軍事力を持ちながらも政治的には従属的な立場のようでした。しかし、本作ではゴリラの将軍が強い権力を握っているように描かれ、世界観の一貫性は崩れています。

 

さらに、時間移動の設定も、なんだかよく分からない感じになっています。前作のテイラーは光速移動による時間遅延を相対性理論的な仮説として理解し、検証しようとしていました。ところが本作のブレントは、「どういうわけか時空を越えた」なんて言っています。脚本家は前作を忘れてしまったんでしょうか。仮に「ブレントは理論を理解していない人物」という設定だとしても、それが物語上なんの意味も持っていません。

 

焼き直しの前半、暴走する後半

本作では、テイラーを探して惑星に辿り着いたブレントが新しい主人公となります。物語前半は、彼が前作のテイラーとほぼ同じ体験を繰り返す構成になっており、新鮮味がまったくありません。人間が猿に支配される世界への困惑、ノバとの出会い、猿からの逃亡。観客はすでに見たような展開を、少し形を変えてまた見せられるだけです。

 

続編である以上、前作を踏まえた新たな要素が求められます。前半にはそれがなく、前作の焼き直しに終わるわけですが、後半は対照的に物語が暴走を始めます。

 

後半で登場するのは、なんとテレパシーや幻覚を操る奇妙な人間たち。社会風刺を内包した寓話的SFだった『猿の惑星』は、ここで一気にB級オカルトSFへと転落します。

 

人間たちの顔が実はマスクだったという設定も、物語上の必然性は乏しく、単なるギミックにしか見えません。核兵器の影響を暗示したかった可能性はありますが、描写が浅く、象徴として機能しているとは言い難いです。

 

唐突すぎる核兵器批判

前作が描いたのは、猿と人間の立場逆転を通じて浮かび上がる、人間の傲慢さ、支配と差別の構造でした。文明そのものへの皮肉が、物語の構図に深く組み込まれていたのです。

 

一方の本作では、そんな文脈は無視して、唐突に核兵器批判のトーンになります。人間の文明が崩壊した原因が核兵器だったということなのでしょうが、『猿の惑星』のユニークな設定と直接結びつかないので、取ってつけたメッセージに感じられます。

 

冷戦時代の空気に便乗したとも推測されますが、やはりこのシリーズでやる必然性は感じられません。

 

唯一褒められるところは…

本作について、ここまでかなり否定的に述べてきたように、本作を観ていて、ずっと褒めるところが見当たりませんでした。そんな中、すべての登場人物が死に、地球そのものも消滅するラストだけは評価できます。

 

それはもちろん、ここまで破綻した物語と世界観を、文字通りすべて消し去ったからです。本作の出来が悪いからこそ、この完全な終末が一種の救いとして機能してしまっているのは、皮肉と言うほかありません(笑)。

 

続編制作に反対していたチャールトン・ヘストンが、本作への出演条件として「テイラーを殺すこと」を要求したという話もありますが、彼の気持ちはよく理解できます。

 

最後に

今回は映画『続・猿の惑星』の解説&感想でした。作品としての完成度が低いだけでなく、前作の設定、世界観、テーマを徹底的に破壊した最低の続編です。唯一の救いは、すべてを消し去って終わったこと。まあ、結局続編は作られたわけですけど。

 

個人的な満足度:2/10

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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