どうも、たきじです。
今回は2007年公開のアメリカ映画『アクロス・ザ・ユニバース』の解説&感想です。
作品情報
タイトル:アクロス・ザ・ユニバース
原題 :Across The Universe
製作年 :2007年
製作国 :アメリカ
監督 :ジュリー・テイモア
出演 :エヴァン・レイチェル・ウッド
ジム・スタージェス
ジョー・アンダーソン
デイナ・ヒュークス
マーティン・ルーサー・マッコイ
T.V.カーピオ
上映時間:133分
解説&感想(ネタバレあり)
ビートルズ(The Beatles)といえば、20世紀を代表するロックバンド。本作は、そのビートルズの楽曲だけで構成されたミュージカル映画です。
ストーリーには特に面白みはなく、言ってしまえば内容は薄いのですが、ビートルズの楽曲だけでうまく物語を繋げているのは見事です。ただ、同じコンセプトでもいろんなストーリーが作れると思うので、他の監督・脚本のバージョンも観たくなってしまいます。
楽曲は当然素晴らしいものばかりなので、ストーリーを無視しても楽しめることは間違いなし。吹き替えなしで歌唱に挑んだキャスト達の歌声も、楽曲のアレンジもよく、全く飽きることがありません。ずっと観て(聴いて)られますね。私がビートルズ好きというのもあるでしょうけど。
多くのミュージカルで見られるような、歌での掛け合いが無いのはやや残念なところではあります。まあ、ビートルズの楽曲だけで構成しているので、これはどうしようもないですけどね。
本作で使用された楽曲は全部で33曲。せっかくなので、特に印象に残ったいくつかについて感想を。
"Hold Me Tight"
本作で、1コーラスやりきる最初のナンバー。イギリスのリヴァプールとアメリカのニュージャージーをカットバックで繋ぎながら、主役2人の状況説明を兼ねて描かれます。バンドに歌わせたり、プロムでの集団のダンスを挟んだり、多様な表現も見どころでした。
"I Want to Hold Your Hand"
原曲よりも随分とスローテンポで、女性のプルーデンスによってしっとり歌われるアレンジがいいですね。この曲に代表されるように、本作で女性が歌う曲は、おのずとアレンジが効いて印象に残ります。
"I've Just Seen a Face"
楽曲とストーリーの高揚感が見事にマッチしていて、楽曲の良さが最大限に引き出されていました。ボウリング場を舞台にした演出も楽しいです。
"Let It Be"
ビートルズの代表曲が、ゴスペルにアレンジされ、エモーショナルに歌い上げられています。主要キャスト以外が歌うナンバーながら、本作で最も印象深く、感動的なナンバーの一つです。
"I Am the Walrus"
U2のボノがカメオ出演して歌うという贅沢な一曲(ボノはエンドロールの"Lucy in the Sky with Diamonds"も歌っています)。原曲のサイケデリックさそのままに、個性的な歌声とモダンなアレンジがうまくハマっています。ちなみに、本作とは関係ないですが、オアシスがカバーした"I Am the Walrus"もメチャクチャかっこいいのでおすすめです。
"Strawberry Fields Forever"
極めて実験的で難解な楽曲。ルーシーとのすれ違いや、マックスが現地で戦うベトナム戦争のニュースを前にして激しく動揺するジュードが感情を投影して歌い上げます。イチゴが爆弾のように降り注ぎ、爆発し、その汁は血のようにしたたる。アーティスティックな映像表現も合わせて強く印象に残る曲です。
"Hey Jude"
主人公の名前がジュードである時点で、誰もがこの曲が流れるクライマックスを待ち望んでいたでしょう(笑)。アメリカからイギリスへ、マックスがジュードに語りかける形で歌われ、やがてジュードがアメリカへ戻るという展開含め、クライマックスとしての盛り上がりは十分でした。
"All You Need Is Love"
物語の最後を締めるのは、ビートルズの楽曲の中でも特に有名なこの曲。屋上でのゲリラライブは、ビートルズのルーフトップ・コンサート(アップルレコードの屋上で行ったレコーディングセッション)がモチーフ。この演出も相まって、見事に決まったラストシーンでした。
最後に
今回は映画『アクロス・ザ・ユニバース』の解説&感想でした。ストーリーは面白みに欠けるものの、素晴らしいビートルズの楽曲の数々が、最後まで観るものを惹きつけます。ミュージカル映画をビートルズの楽曲だけで構成するというコンセプトの時点である意味勝ち確と言えるかもしれませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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