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映画『バグズ・ライフ』解説&感想 往年の名作映画をモチーフにしたピクサーアニメ

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どうも、たきじです。

 

今回は、1998年公開のアメリカのアニメ映画『バグズ・ライフ』の解説&感想です。

 

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作品情報

タイトル:バグズ・ライフ

原題  :A Bug's Life

製作年 :1998年

製作国 :アメリカ

監督  :ジョン・ラセター
     アンドリュー・スタントン

声の出演: デイヴ・フォーリー
     ケヴィン・スペイシー
     ジュリア・ルイス=ドレイファス
     ヘイデン・パネッティーア
     フィリス・ディラー

上映時間:95分

解説&感想(ネタバレあり)

本作はイソップ寓話『アリとキリギリス』における働き者のアリと怠け者のキリギリス(バッタ)というテーマをベースにしながらも、そのストーリー構成は『七人の侍』や『サボテン・ブラザーズ』を彷彿とさせます。

 

バッタ(野武士)に襲撃され食料を奪われることを避けるために、アリ(百姓)が自分達を守る強者の虫(侍)を探しに行くという設定は『七人の侍』。また、集められた虫たちが実はサーカス団のメンバーで強者ではなかったと展開は『サボテン・ブラザーズ』ですね(同作では、映画を実際の記録映像と勘違いした村人によって、俳優達が用心棒として雇われることになる)。このように、過去の名作の要素を取り入れているため、当然、物語の大筋はしっかりと楽しめるものになっています。

 

そんな中で、本作が独自性を持っているのは、上に挙げた両作とは主人公の立場が異なる点です。『七人の侍』や『サボテン・ブラザーズ』では、「頼られる側」である侍や俳優が主人公として描かれますが、本作では「頼られる側」のサーカス団ではなく、「頼る側」であるアリのフリックが主人公です。

 

弱きアリの立場、しかもその集団の中で虐げられた立場のフリックを主人公に据え、そこにフォーカスすることで、ドラマ性は深まります。また、観客は弱者の視点から物語を追うことになり、感情移入しやすい構成となっています。

 

ただ、フリックが奮闘し、やがて仲間から認められていく過程は共感を呼ぶ一方で、『トイ・ストーリー』ほど深いドラマ性があるかというと、そうではありません。であれば、やはり上に挙げた両作と同様、サーカス団のメンバーを主人公にし、間違えられた彼らの奮闘に焦点を当てた方が、物語の面白さが一層増したのではないかとも感じてしまいます。サーカス団の多様な虫たちがそれぞれの持ち味を活かして戦う様子や、彼らの成長や変化などをもっと見たかったというのが正直なところです。まあ、『サボテン・ブラザーズ』のフォーマットを最大限活かした作品としては『ギャラクシー・クエスト』という傑作がありますけどね。

 

とはいえ、クライマックスは十分に楽しめました。フリックが考案した鳥の模型でバッタたちを混乱させ、フリック自身が勇敢にホッパーに立ち向かうことでアリ達が奮起するシーンは、熱い展開で観る者を引き込みます。ブルーベリーズの子供たちの活躍も、可愛らしくも頼もしいアクセントとなっており、物語を盛り上げています。

 

ラストの雨の中の戦いは、視覚的にインパクトがあります(クライマックスに雨というのも『七人の侍』からの引用でしょう)。巨大な水滴が虫たちにとってどれほどの脅威であるか、その緊張感は映像的にも効果的に表現されています。ただ、もう少しこの雨を活かしたアクションが見られたら、さらに印象深いシーンになったかもしれません(『七人の侍』を意識して過剰に期待してしまいました)。

 

さて、アリのキャラクターデザインも本作の特徴の一つです。通常、昆虫であるアリは頭部、胸部、腹部が分かれ、胸部から6本の脚が生えていますが、本作では胸部から2本の手、腹部から2本の足が生えた4本脚のデザインになっています。

 

これはおそらく意図的に人間に寄せたもので、キャラクターへの親しみやすさを狙ったものでしょう。対照的に、悪役であるホッパーは6本脚で描かれており、質感もリアルで威圧感があります。

 

また、アリたちの青白いカラーリングも実際のアリとはかけ離れています。これも実際の黒や茶色にするよりも親しみやすさを生んでいます。加えて言えば、茶色の土や緑豊かな植物とのコントラストを生み出し、キャラクターを視覚的に映えさせる意図もありそうですね。

 

最後に

今回は、映画『バグズ・ライフ』の解説&感想でした。ピクサーの他の作品と比べるとドラマ性はさほど深くないものの、往年の名作映画を巧みに取り入れたストーリーやクライマックスが楽しい作品です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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